2008年6月22日日曜日

赤ワイン:塩尻ワイナリー「信州メルロ2004」、仏国際コンクールで銀賞 /長野

力強くまろやか 生まれも育ちも塩尻、ブドウ農家と協力作品

 塩尻市の約40軒のブドウ農家が栽培するメルロー種を使い、サントリー塩尻ワイナリーが醸造した赤ワイン「信州メルロ2004」がこのほど、仏ボルドーで開かれた国際ワインコンクール「レ・シタデル・デュ・ヴァン」で銀賞を獲得した。92年に始まったコンクールには今回、世界30カ国から1170点が出品されたが、日本のワインでは唯一の受賞となった。

 塩尻市は昼夜の寒暖差があり、日照時間が長く雨が少ないため、国内のブドウ作りの適地として知られる。

 受賞ワインのブドウを同市広丘郷原で栽培する県のワイン委員、小口盛夫さん(68)は、年明けの剪定(せんてい)、枝を棚に留める作業、間引き、満遍なく日光を当てるための房の整理、そして秋の収穫と、1年を通じて丹念にブドウを育ててきた。中でも04年のメルローは、夏の暑さと十分な日照時間を得られたため、糖度が高く、酸味も適度に下がって高品質なブドウに仕上がった。

 醸造元の塩尻ワイナリー(同市大門)は1936年の設立で、これまで県産ブドウ100%のワインを造り続けてきた。「信州メルロ2004」は地元農家が栽培、地元ワイナリーが醸造、瓶詰めまでの行程を行っており、まさに塩尻で生まれ育ったワイン。メルロー種らしく口当たりは柔らかで、豊かな果実味とタンニンが調和し、力強くまろやかな味わいだ。

 「ブドウ栽培が好きだから続けられるんです。ある程度、自然に任せ、化学肥料をなるべく使わないように工夫をしています」と小口さん。塩尻ワイナリーの渡辺直樹技師長(43)は「ブドウ農家と協力して造った共同作品。受賞はとても光栄です」と笑顔で話した。

出典:毎日新聞