三好市池田町州津の県立三好高校(瀬部昌秀校長)で、今年新たにブルーベリー園「寿農園」が整備された。約40年間にわたり同校を支援している大阪府門真市の漬物製造会社役員松本寿満さん(72)からの寄付金をもとに作られた。同校では地域の新たな特産品を目指し、栽培技術などを研究していく。
松本さんは長崎県出身。会社創業の1965年ごろに、同校に求人を出したのがきっかけで交流が続いており、農業や食品加工の基礎を身につけてもらおうと農機具などの支援を続けている。
昨夏、同校OBの娘婿と学校に立ち寄った際、かつて松本さんの寄贈した品が今も校舎内に飾られていることに感動。その場に居合わせた瀬部校長とも意気投合し、寄付が決まった。
「寿農園」は松本さんの名前の一字を取り、東みよし町内の農場に約20アールで整備。3月上旬、生物資源類の生徒35人がブルーベリーの苗木300本を植樹し、木を大きく育てるため、花を摘んだり雑草を取り除くなどの世話をしてきた。
ブルーベリーはツツジ科の落葉低木果樹で約1・5~3メートル。寒さに強く水はけのよい土壌で育つ。目の網膜に効果があるとされるアントシアニン色素を含み、健康ブームで注目を集める。
同校は、収穫ができる二、三年後にジャムやワインに加工して販売する予定という。
開園式の1日には、松本さんや3年生ら約35人が出席。代表して生物資源類3年の高井憲義さん(17)が「きれいに整備された農場を見て感激しました」とお礼の言葉を述べ、出席者が記念に苗木2本を植樹した。
松本さんは「育てる過程を通じ、生徒がしっかりした大人に成長してほしい」と期待していた。
出典:読売新聞