バイク用や防犯カメラ付きも
家財道具などを保管する貸しスペース「トランクルーム」が岡山市内でもあちこちで見られるようになった。収納の少ないマンションの増加を背景に、企業だけでなく資産活用目的の個人も参入。屋外に並べたコンテナか、ビル内の小部屋を貸し出す方式が主流で、最近はバイク専用や防犯カメラ付きなどさまざまなタイプも出始めている。
岡山市内の17カ所に、2階建てのコンテナ型トランクルーム(計約1400室)を展開する警備保障の山陽セフティ(同市表町)。2005年から始め、マンションの集積する地域を中心に増やしている。
広さは1・9―12・3平方メートルの6種類あり、料金は月4000円から。稼働率は約6割で、7割前後を占める個人契約のほとんどが集合住宅の居住者という。
発火の恐れがある物品は原則受け付けないが、昨年末、同市北長瀬に開設した拠点には初のバイク専用コンテナ(38室)を整備した。通常は木製の床を鉄板にし、出し入れしやすいよう格納式のスロープも備えた。
退職後、趣味で大型バイクを購入する団塊世代などの利用を想定。「傷を付けられたりしない安全な場所に置きたいというニーズに応えた」と同社。今後はワイン保管用や、貴重品専用タイプなど、バリエーションを充実させる。
不動産コンサルティング・はれコーポレーション(同市大元駅前)も05年から、市内4カ所にコンテナ型計113室(2・7―13・6平方メートル、月6300円から)を開設。すべての入り口に自動車を横付けできる平屋で、使い勝手の良さを売り込んでいる。
ビル型も
トランクルームが全国でも珍しかった1980年代から、ビル型を手掛けるのはカヤノ産業(同市下中野)。本社周辺に8棟(計約500室)を構える。2・6―33・6平方メートルで、月8400円から。
ビル型はコンテナ型より建設費がかさみ、一般的に利用料も高めとされるが、02年から一室の天井高を低めにし、階層と部屋数を増やしたタイプを2棟投入。一室当たりの初期投資を抑え、料金を1―2割安く設定した。
同社は「人目を気にせず、雨天でも作業できるビル型独自の良さはあるものの、コンテナ型が急増しており、料金でも対抗する必要があった」と説明する。
安全面で特色
企業間で競争が激化する中、個人が参入するケースも。岡山市内の会社役員山本昌作さんは昨夏、資産を有効活用するため、同市藤原西町に用地を取得。114室のビル型1棟(3・6―8・7平方メートル、月1万500円から)をオープンした。
鉄骨3階の各階に防犯カメラを取り付けたほか、1階出入り口にはIC(集積回路)カードを採用。山陽セフティの警備システムも導入し、セキュリティー面で特色を打ち出した。
「利用者の安全・安心に対する意識は高まっており、需要が見込める」と山本さん。3年後に8割の契約を目指す。
出典:山陽新聞