ガイド本「ザガット」 ミシュランとの違いは?
ニューヨークで始まったレストランなどのガイド本「ザガット・サーベイ」のグループを率いるティム(67)とニーナ(65)のザガット夫妻が来日した。最初の日本語版だったハワイレストランガイドの発行から10年目を記念しての来日だが、19日に東京で開いた会見では、ミシュランとの違いに質問が集中。覆面調査員が神託のように星をつけるミシュランと、一般参加者の回答をまとめるザガットの違いを強調した。
夫妻によると、始まりは共に弁護士だった1979年。友人と夕食中、ニューヨーク・タイムズのレストラン評の悪口から「自分たちで書こう」と発展。20人がそれぞれ10人の友人にコメントを求めて1冊にした。今では映画やゴルフの本も含め88都市で30万人が参加するガイドに成長。日本の都市では「東京」を2000年版、「大阪・神戸・京都」を02年版から出す。
「『ミシュラン東京』は僕らの本とは全く違う。写真が多く、高い店ばかり。毎日高級レストランに行く人はいない」とティムさん。来日8回目の2人は、東京の食の魅力は「多様な日本食」と言う。ザガットは「そば・うどん」「豚かつ」などさまざまな店が載る。08年東京版の「料理のトップ」は焼き肉の「ジャンボ」(本店・江戸川区)。掲載店は1200を超え、店を選ぶ手がかりになる「ワインが豊富」「深夜まで営業」などのインデックスは充実している。
コメントは玉石混交にもみえるが、「上位のレストランについては翻訳してチェックする。誰もが感想を寄せるネットとの差は、編集作業」とニーナさん。
ミシュラン騒動は相乗効果もあるようだ。「これまで他の都市でも起きたことだが、利用者のレストランへの関心が深くなる。議論されるのはいいこと」とティムさんは言った。
出典:朝日新聞