2008年1月12日土曜日

おかゆ七変化…洋風、和風、我が家の味

おかゆ七変化…洋風、和風、我が家の味

チーズでコク/五穀米で食物繊維

 年末年始に食べ過ぎて疲れた胃には、おかゆが重宝する。定番の白がゆだけでなく、食材や味付け次第で、様々な楽しみ方ができる。

 最近は、電気炊飯器などに設定されている「おかゆ」のスイッチを押せば簡単に作れるようになった。鍋で作る場合でも、「和風のおかゆは、水と材料の分量を間違えなければ、誰にでも簡単に作れます」と料理研究家の葛西麗子さんは話す。

 まずは、色が赤く縁起がよいとされる小豆に、五穀米を加えた五穀米入り小豆がゆ。「お米と小豆だけの伝統的なおかゆもいいですが、麦、アワ、ヒエなど食物繊維が豊富な雑穀が入った五穀米を加えるとさらに栄養のバランスが取れます」と葛西さん。噴きこぼれないようにするには、深めの鍋を使うといい。

 <小豆は洗ってから約30分水につける。そして鍋に入れて火にかける。一度沸騰させて2、3分煮て、水を捨てる。同じ鍋に水7カップと洗った米、五穀米を入れる。火にかけて沸騰させた後、弱火でゆっくりと30~40分炊く。最後に塩で味を調える>

 ほんのりと優しい塩味で、豆や雑穀のプリプリとした食感が楽しめる。

 五穀米は、一晩水につけて十分水を吸わせておくとよいが、最近では、そのまま米と一緒に炊ける商品もある。

 また、オリーブオイルを使った海の幸の洋風がゆは、ボリューム満点。
 <米は洗って水を切る。エビは殻を取り、背わたを除く。ホタテは1~2センチ角に切る。アンチョビーは粗くみじん切りにする。鍋にオリーブオイルを熱し、タマネギ、アンチョビーをいため、アサリ、エビ、ホタテを加え、白ワインで香りを付ける。全体を混ぜてふたをし、アサリの口を開ける。その鍋に米を加えていため、別に作ったスープをひたひたに加えて中火で煮る。鍋の汁気がなくなったらスープを加えながらかき混ぜる。これを繰り返し、15分炊いたら、塩とコショウで味を調整する>

 アサリやアンチョビーのうまみでコクがある。「スープを加えながら作ることで米の芯が残る食感となり、リゾット風の味わいが楽しめます」

 和風がゆは材料を一緒に煮込むが、洋風がゆは材料とスープを別々に作り、混ぜながら作る点に違いがある。洋風がゆは生クリームやチーズを加えれば一層コクが出る。また、作り置いたものにチーズをのせてオーブンで焼けば、チーズグラタン風にもなる。

 シンプルなおかゆは、味がはっきりした常備菜があると、食が進む。例えば、野沢菜と牛ひき肉のピリカラ。

 <野沢菜は1センチ長さに切る。鍋にサラダ油を入れ、赤唐辛子をいためる。牛ひき肉を入れていため、しょうゆ、酒、砂糖を合わせた調味料を加え、野沢菜も加え、汁気がなくなるまでいりつける>

 葛西さんは「切り干しダイコンのいためものなどの常備菜やトッピングも工夫しながら、我が家の定番の味を作っていけるのも楽しみの一つです」と話している。

出典:読売新聞