2008年1月12日土曜日

ユニーク福袋続々 県内百貨店

ユニーク福袋続々 県内百貨店

 兵庫県内の百貨店売上高が九年連続で前年割れするなど消費不況の出口が見えない中、各百貨店が新年の初売りに力を入れている。消費者の財布のひもが固くなると、値打ち感のある福袋がよく売れるとか。書き入れ時の百貨店は体験型福袋の企画や数を増やすなど、消費回復の呼び水にしようと懸命だ。(高見雄樹)

 「神戸の人気洋菓子職人が自宅でケーキを作る福袋」「ブドウの木のオーナーになり、神戸ワインをつくろう福袋」

 そごう神戸店が一月二日に売り出す福袋は、体験型商品の数を倍近くに増やした。ケーキは五人、ワインは一人の限定販売だが、同店の三宮開業七十五周年にちなんで価格は七千五百円とした。

 「モノ」の消費に加え、趣味や学習などの「コト」にお金をかける傾向が強まっていることに対応した。衣料品の入った通常の福袋も、例年より三割多い二万六千個を用意する。

 「二日の初売りだけで、前年比10%増の約二億五千万円を売り上げる」と強気なのは、福袋を一万個販売する山陽百貨店(姫路市)。「来年は姫路菓子博。初売りで勢いをつけ、地方百貨店への期待に応える」(販売促進部)という。

 一日に初売りをするヤマトヤシキ姫路店は、平成二十年にちなんで「二十万円福袋」を企画。一袋の総額で四十万円以上の商品を入れ、八種類を用意した。「ガソリン値上げや株安など消費にマイナス要因ばかりの一年だっただけに、買い得感が年間で最も高い福袋の売れ行きに期待できる」(営業企画担当者)。

 今年の初売りでは約四千人が列を作った大丸神戸店は「長い待ち時間で顧客が大阪の百貨店に流れないよう、スムーズな入店誘導に全力を尽くす」(広報担当)という。二日からの初売りで二万個を販売する福袋の中心価格は一万-三万円。三百万円のフランス車や百万円の宝飾セットなど、高額福袋もそろえる。

 県内の百貨店売上高は一九九八年以降前年割れが続き、月別でも十一月まで五カ月連続マイナス。各百貨店とも、初売りと二日スタートの冬物バーゲンで出口を見いだしたい考えだ。

出典:神戸新聞