2008年1月13日日曜日

ネット店舗、現実に進出 「リアル店」続々開設 相乗効果で売り上げ増

ネット店舗、現実に進出 「リアル店」続々開設 相乗効果で売り上げ増

 インターネット上で通信販売を行う店舗が、実際の店舗(リアル店舗)を設ける例が増えてきた。「ネットだけの店舗では不安」「知名度を上げたい」など理由はさまざまだが、ネット店との相乗効果もあってリアル店舗の売り上げは上々だ。

 インターネットショッピングモール国内最大手の楽天市場でチーズ専門店「メイドイン北海道」を出店する法貴(札幌)は、二○○六年十月、札幌市中央区南一西一に「フェルム ド アッシュ」を開いた。

 ネットの常連客が店に立ち寄ることなどもあり売り上げは上昇。売れ筋をいち早く店頭でつかめるため在庫の調整もしやすくなったという。法貴守社長は「実店舗で客の反応が直接つかめるようになった」と手応えを感じている。

 同じ楽天市場に海産物店「北海道三昧(ざんまい) 丸鮮千代水産」を出展するレイジックス(札幌)は○六年十二月、東京・新橋駅近くに飲食店「どんぶり茶屋 新橋あぶり亭」をオープンさせた。

 レイジックスは札幌・二条市場の海産物店が発祥で、二○○○年にショッピングサイトを設立。ネットと店舗の売り上げ比は八対二となったが、六年前に二条市場の海鮮丼店が阪急百貨店(大阪市)のバイヤーの目に留まった。以後、本州の百貨店で開催される北海道物産展への出店依頼が相次ぎ、一日の売り上げが百三十万円を記録することも。敬礼匡社長は「ネットと実店舗の売上比率が六対四となり、バランスが取れてきた。新橋に続く常設店も出したい」と意欲的だ。

 一方、期間限定のワインショップを開設したのは、ワイン教室道内大手、札幌ワインスクール(札幌)の中村雅人社長。昨年十二月二十日から二十四日まで、ネット店舗「札幌ワインショップ」のリアル店舗をファッションビル「PIVOT(ピヴォ)」(札幌市中央区)内で開いた。

 中村社長はワインや飲食店に関する人気ブログの主宰者。ブログで取り上げたワインを購入したいという閲覧者の要望に応え、七月にネット店舗を開業、約二千本を取り扱っている。

 ネット店では九割以上が道外向けの販売で、「地元札幌での知名度を高めたかった」と中村社長。リアル店舗で三十六本を完売した約八千円のワインの注文が、すぐにネット店舗に十本以上も舞い込むケースもあったという。

出典:北海道新聞