2008年1月12日土曜日

空のグルメ対決、JAL対ANA ファーストクラスで

空のグルメ対決、JAL対ANA ファーストクラスで

 日本航空(JAL)が12月から始めた国内線初の「ファーストクラス」が好調だ。平均利用率は9割でビジネス客が少ない年末年始も8割が埋まった。一般より8000円高いが、革張りのシートや「ミシュランガイド東京2008」で一つ星をとった料亭の機内食がうけている。ライバルの全日空(ANA)も4月から最上級席をグレードアップして対抗する構え。ビジネス客やゆとりある層を狙った「グルメ対決」が展開される。

 JALがファーストクラスを始めたのは羽田―大阪線。夜間の機内食は懐石料理「分とく山」▽伊料理「アロマフレスカ」▽日本料理「なだ万」▽仏料理「ラリアンス」の東京4店と、大阪の仏料理「エプバンタイユ」が一定期間ごとに提供する。いずれも著名店で、東京の4店はミシュランガイドの東京版で一つ星を獲得した。飲み物も無料で、ビールやワインのほか、人気の焼酎「森伊蔵」をそろえるこだわりようだ。

 初日は1日7往復(1機あたり14席)が全席完売し、昨年12月の平均利用率も9割を超えた。12月28日~1月3日も83%を記録した。

 大阪から商用で羽田に到着した会社役員(41)は「食事を堪能するには飛行時間が短いが、乗り心地は最高」と満足そう。一方で一般席を利用した女性からは「『格差社会』の現実を見せつけられた感じ」との声も。JALはより長い羽田―福岡、札幌線でも導入を予定していて、単価を上げる効果で年40億円の増収をもくろむ。

 一方、ライバルのANAは4月から、「スーパーシートプレミアム」を「プレミアムクラス」に格上げして対抗する。現在の一般プラス5000円よりさらに1000~2000円値上げし、席の間隔を97センチから127センチに拡張。JALと同じく日中も軽食を出し、大阪や羽田の空港ラウンジを利用できるサービスも加える。

 機内食は、すでに提携している新潟市の「行形亭」、仙台市の「東洋館」、金沢市の「つば甚」などの老舗(しにせ)料亭を軸に、さらに充実を図る。飲み物はシャンパンや高級ワインで対抗。増収の目標額は「年30億円」だ。

出典:朝日新聞