2008年1月12日土曜日

郷土の魅力 食から 直営店舗で住民に披露/長野の女性農業者

郷土の魅力 食から 直営店舗で住民に披露/長野の女性農業者

 長野県池田町の女性農業者らで今年6月に開店した農家レストラン「ビストロカモミール」が、地産地消にこだわり、毎回テーマを決めて食材の魅力を伝えるイベントを14日夜から始めた。地元の食材にこだわった料理とともに、レストランの食に対する姿勢や町の食材の魅力を知ってもらうのが狙いだ。第1弾は県産リンゴで造ったシードル(微炭酸リンゴワイン)と料理で地域住民をもてなした。

 このイベントは「My Favorite Things」(私の好きなもの)と題し、定期的に行う。

 農家レストランを運営するのは、池田町農産物加工組合「カモミールの会」。総菜や漬物といった加工なども手掛け、レストランでは町で取れるハーブをはじめとした豊富な農畜産物を使った地産地消の料理を売り物にしている。

 この夜は県産リンゴで造ったシードルとシードルに合う料理で、来店した約30人の地域住民をもてなした。

 きのこ料理やそば粉や米粉などを練り込んだパスタ、サラダなど食材はすべて地場産だ。シードルで乾杯し、アルコールが入ると、会話も弾んだ。安曇野市在住のシニアソムリエの石田通也さん(37)やシードルを製造する地元の酒造会社の担当者も招き、作り手の顔が見える演出で工夫を凝らした。

 石田さんは「シードルは食事中に飲む食中酒に最適。リンゴは生食かジュースが主だったが、食卓にシードルが並ぶなど用途が増えればリンゴ栽培も進む」と強調する。参加者からは「女性は外に出る機会が少ない。楽しみが増えれば町も盛り上がる」と期待の声が上がった。

 同組合長の片瀬敦子さんは「これを弾みに旬の食材を使った料理で、この地でここでしか食べられないものを作りたい」と意気込む。レストランでは2カ月に1回をめどにイベントを開く考えだ。

出典:日本農業新聞