2008年6月22日日曜日

ロンドンの甃 ダブリンの味覚

 欧州連合(EU)の新基本条約「リスボン条約」を批准するかどうかを決める国民投票が行われたアイルランドの首都ダブリンで、同国のレストランやパブのほか、世界中のお酒を紹介する「テイスト・オブ・ダブリン」(12~15日)が開かれていた。

 75ユーロ(約1万2500円)で入場券と食券を購入して野外の会場を訪れると、地元市民や観光客でごった返していた。ダブリンでは不動産が高騰、ラッシュ時には交通渋滞で車が動かなくなる。

 アイルランドといえばソーセージやベーコン、ジャガイモ、豆を使った素朴な料理が思い浮かぶ。しかし、1990年代に始まった「ケルトの虎」と呼ばれる経済成長の恩恵により、ダブリンのレストランではイタリアやフランス、日本など世界中の料理が楽しめる。

 欧州最貧国、移民輸出大国といわれたアイルランドを富裕国に押し上げた要因について、会場の運営係ジェシカ・ブレナンさん(22)は「積極的に国を開いて欧州との貿易を広げたからと学校で教わった」。ブレナンさんは祖国の貧しさを知らずに育った世代である。

 会場ではシャンパンやワインも楽しめたが、一番おいしかったのは甘く熟したアイルランド産のイチゴだった。

出典:MSN産経ニュース