2008年3月1日土曜日

引っ越し多彩、新天地楽々──サービス、便利に進化

引っ越し多彩、新天地楽々──サービス、便利に進化

 3月は転勤や就職に伴う引っ越しが盛んなシーズン。新天地での生活をスムーズに始めるためにも、引っ越し業者選びには慎重になりたいもの。料金だけでなく、便利なサービスも一考する価値がありそうだ。

 「会社の異動は3月だけど、子どもの転校は4月からの新学期に合わせたい」

 こうしたケースに対応できるように、クロネコヤマト引越センターは昨年10月から30日間の期間内なら最大3回に分けて家財を送ることができる「ユニット便F」を始めた。父親だけ先に赴任先へ転居し、ほかの家族の引っ越しをずらすことができる。

 家財を一般の貨物と混載して運ぶため、4トントラックを貸し切る通常のケースと比べ料金も2―3割お得。先に転居する父親のホテル代の節約にもなりそうで、「転勤が多いサラリーマン家庭に人気」(同センター)という。

 「新天地でも生活スタイルを変えたくない」。こんなこだわり人には、アリさんマークの引越社の「スペシャルフルパック」がお勧めだ。デジタルカメラを持ったスタッフが梱包前の家具の配置を入念に撮影。転居先でもワインセラーのボトルの配列や台所用品の収納場所まで再現する。「主に主婦のニーズから生まれたサービス」(同社)という。

 「引っ越しを機会に、家具などの耐震対策を真剣に考えたい」。こんな人にピッタリのサービスも。アート引越センターはタンスや食器棚など地震で倒れやすい家具の下に敷く市販の耐震マットを割安で販売し、スタッフが無料で設置するサービスを始めている。2004年に業界に先駆けて導入。「家具を動かす手間が省けるので利用者にも好評」(同センター)という。

 引っ越しのアフターサービスとして、日本通運は利用者に急病や水回りのトラブルなど転居先での「もしものとき」の相談先を一括して紹介している。相談には同センターが契約した業者が24時間で対応するといい、引っ越し後の1年間は割安の料金で利用できる。

 「サービスよりやっぱり価格を重視」。節約派には複数の業者から一括で見積もりが取れるサービスが便利。比較・comは引っ越し業者53社と提携。インターネットで家具の大きさや数を入力すると、地域によって業者数は異なるが複数の業者から見積もりが届く。昨年3月からは携帯電話のサイトからも申し込みできるようになった。

 一方、育ち盛りの子どもを持つ家庭にとっては「学校など転居先の教育環境も気掛かり」。ベネッセコーポレーションは独自調査を基に、転校先で使っている教科書の進ちょく状況やその地域の入試動向など、小中高校別にまとめた資料を無料で提供している。インターネットで登録すれば会員でなくても利用が可能。同社は「子どもが新しい環境に慣れるために役立ててほしい」とPRしている。

出典:日経ネット関西版