2008年2月25日月曜日

オリーブで自立を 小豆島の障害者施設

オリーブで自立を 小豆島の障害者施設

 香川県・小豆島の土庄町にある知的障害者通所授産施設「ひまわりの家」が、同島特産のオリーブで自立と収入の安定を目指そうとしている。ワインづくりで成功した栃木県足利市の知的障害者厚生施設「こころみ学園」が手本。ボランティアが協力する。

 同学園は計約3ヘクタールのブドウ畑を所有し、入所者やケアホームの利用者計約120人が働き、高品質のワインを生産。平成12年の沖縄県で開催された先進国首脳会議、沖縄サミットの晩餐(ばんさん)会で乾杯に使われたワインとして知られている。

 ひまわりの家は、18年4月の障害者自立支援法の施行を受け、本格的な事業としてオリーブ栽培に乗り出した。所有畑約50アールで150本を育てている。約10人のボランティアと通所者が施肥や剪定(せんてい)などを実施。実の収量増を目的に今年は苗木用に約5000本の挿し木もした。

 こうした動きを支援しようと、こころみ学園とかかわりの深い大阪府四條畷市在住の赤木一朗さん(78)が「オリーブアカデミープロジェクト34」を提唱。土庄町内に畑地約18アールを購入して提供、瀬戸内オリーブ基金の補助でオリーブの苗木約200本を入手して事業に協力する。

 同プロジェクトは、ミナミ活性化委員会(大阪市)にも参画した景観・環境デザイナーの二見恵美子さんを代表に、ボランティアや通所者が農作業や製品作りを進める。赤木さんは「ひまわりの家ブランドの商品を販売して障害者の収入増に役立ちたい」と話している。

 ひまわりの家は「Olivaの丘」と名付け、3月2日の植樹に向けてボランティアが休日に支柱を立てるなど準備を進めている。ミッション、ルッカの両種で計約200本を予定している。

 苗木育成からオイルや新漬けなど製品加工までの一貫した取り組みを目指す。岡祐施設長(66)は「収益が期待されるだけでなく、野外の作業は障害者がいきいきする」と事業の展開に意欲を見せている。

出典:MSN産経ニュース