2008年1月17日木曜日

黒ビールに砂糖 赤ワインにシナモン

ホットが楽しい…ビールやカクテルなどいかが

黒ビールに砂糖 赤ワインにシナモン

 寒い季節には、温かい料理が一番。それはお酒も同じ。日本酒の熱燗(あつかん)や焼酎のお湯割りもいいけど、今冬はちょっと珍しいホットビールやホットカクテルなどはいかが。おしゃれな雰囲気も味わえて、心身ともにほっかほっかになること間違いなし。(竹之内知宣)

 ビール好きの間でこの冬注目されているのが、ホットビール。日本ではまだなじみがないが、ドイツやベルギーなど寒さの厳しい地域では、ビールを温めて飲む習慣がある。ベルギーのホットビール「リーフマンス・グリュークリーク」などが有名だ。

 横浜市のキリンビール横浜工場に併設されたレストラン「スプリングバレー」では昨年12月から、ホットビールをメニューに加えた。同社の黒ビール「一番搾りスタウト」を約50度に温めた「ホットスタウト」(420円)。冬季限定で、3月中旬まで販売する。

 早速、注文すると、しゃれた耐熱グラスに入れて運ばれてきた。角砂糖を入れたり、シナモンスティックでかき混ぜたりすると、炭酸ガスがきめ細かい泡となって一気に盛り上がる。見ているだけでも華やかな気分になれる。

 口に運ぶと、麦芽をローストした香ばしい香り。まろやかで奥深い味わいだ。「コーヒー感覚で楽しめるので、アルコールが苦手な女性にも好評です。甘いデザートと一緒に飲んでもおいしいですよ」と店長の名倉祐爾(ゆうじ)さん(40)。同店特製の「YOKOHAMAプリン」(380円)や「白ゴマのブラマンジェ あずきソース」(同)との相性も抜群だ。

 東京・銀座のバー「ガスライト銀座」では、同店のチーフバーテンダーで、昨年の全国バーテンダー技能競技大会で優勝した井口法之(のりゆき)さん(33)が作る多種多様なホットカクテルを満喫できる。おすすめは「ホットバタードラム」(1400円)。

 グラスに入れた角砂糖を少量の熱湯で溶かした後、ラムを注ぎ、熱湯で満たす。レモンスライスとバターを浮かべ、シナモンスティックを添える。

 湯気が立ち上るグラスを傾けると、溶けたバターのコクのある香り。自家製の熱々の「グラタン」(1200円)と一緒に味わえば、冷えた体もあっという間にぽかぽかになる。

 ヨーロッパで飲まれる温かいお酒と言えば、ホットワインが定番。フランスでは「ヴァン・ショー」、ドイツでは「グリューワイン」と呼ばれ、一般の家庭でも親しまれている。

 東京・池袋の東武百貨店内のワインやリキュールなどの店「フォムファス」では、ホットワインを量り売りしている。100ミリ・リットルで294円。赤ワインにシナモンなどのスパイスをオリジナルのレシピでブレンドした。

 マグカップに注ぎ、電子レンジで60度くらいに温めるだけで本場の味を体験できる。「寒い夜に、甘味のある温かいアルコールは、癒やし効果も抜群。ゆっくり味わって、仕事や家事の疲れをとってほしい」と担当者は話している。

出典:読売新聞