一日にして崩壊した「タバコ天国」
馴染みにしている人気のカフェが年明けとともに、ばったりと客足が途絶えてしまいました。カフェの親爺のため息が聞こえて来るほどの静寂さは、まさに閑古鳥が鳴くという表現がぴったりです。
突然の異変の原因は、昨年8月14日に公布された「公共施設内での全面禁煙」を規定した法律にあります。2008年1月1日から施行されたのです。他のEU諸国が長い年月をかけて徐々に喫煙に対する規制を厳しくしたのに対して、ポルトガルは新年のカウントダウンが終わった途端に一気に「全面禁煙」に突入、一日にして「タバコ天国」は崩壊したのです。
カフェに多くの人々が集まる理由はコーヒー、ビール、ワインなどを飲みながら楽しく友人たちと語り合えることだとばかり思っていましたが、この閑古鳥ぶりを目にする限り、タバコも必需品だったと判断せざるをえません。
タバコ愛好家にとっては、この過酷な環境に挑まなければならないのですから容易ではありません。新しい法律など煙に巻いて、隅でこっそりインチキするヤツが居てもよさそうなのですが……、そんな姿はありません。良くルールを守る国民です。
公共施設の入口に貼られた「禁煙」マークのステッカーを注意深く読んでみました。「違反者には最低50ユーロ~最高750ユーロの罰金が課せられる」と書かれています。つれない素振しているが、「金」と「レッドカード」には弱いんだ~♪。違反をしない理由は、ただ~それだけ~♪。
「ポルトガルも居づらくなった」とタバコ派の観光客も嘆いています。ポルトガル観光の目玉は「喫煙の自由」だったのかもしれません。もちろん嫌煙派にとっては歓迎です。大航海時代がもたらした「タバコ」が大航海時代を築いたポルトガルから姿を消すことになるとは、時代の流れは健康派、環境保全派が優勢なようです。
出典:JanJan