仲間と日本酒を手作り 「自然流酒を造る会」が交流楽しむ
昔ながらの手法で日本酒を造る「自然流酒を造る会」のメンバーが、活動拠点にする東春酒造(名古屋市守山区瀬古東3)で今年初めての純米酒を搾った。7年前にできた同会の会員は、男女45人。25歳から71歳までの会社員や自営業者、自衛官ら、年齢も職業も異なるメンバーが週末、手作業で酒造りを楽しんでいる。
同会代表の小林宏明さん(56)は31歳まで、飲みに行ってもワインやウイスキーを選び、日本酒を飲むことはなかった。ある日友人に連れられて参加した「地酒を楽しむ会」で“手作り”の日本酒に出合い「自分に合った味を作りたい」と思い立った。
1人で酒造りを勉強した後に、同会を設立。会員の佐藤幸彦同酒造社長(49)に、公に酒を造る場所を提供してもらい、酒造りの挑戦が始まった。
店頭に並ぶ手ごろな価格の日本酒の多くは、機械で造られるが、同会の製造方法は、精米以外をすべて人の手で行うのが特徴だ。メンバーは春夏の月1回の座学を経て、秋から週1回集まり、こうじ造りや仕込みなどを行っている。
今月8日には、アルコールの発酵状態にある「もろみ」を麻袋に入れ、重りで酒を搾り出す「袋搾り」をした。昼すぎから始め、翌朝には80リットルの新酒が生まれた。今年の酒は、辛口だがさっぱりしていて、香りもいいという。「日本酒は味も香りも毎年違うので造っていて楽しい」と話すのは、7年前から参加している安藤絹恵さん(41)。同じく会員の酒井知之さん(48)も「日本酒はオヤジの飲み物だと思っていたけど、イメージが変わった」と話す。
小林さんは5日に新潟市で杜氏(とうじ)の国家試験を受けた。今は結果を楽しみに待っている。「杜氏になって団塊の世代に生きがいを与えたい」と意気込んでいる。
出典:中日新聞