こうして生まれた ヒット商品の舞台裏/ベル ジャポン「ベルキューブ」
「ワインと合う」全面にPR
チーズの本場、フランスから直輸入のチーズ「ベルキューブ」。4月にリニューアルし、「ワインと合うチーズ」として売り出したところ、商品が全国の店頭に並んだ5月は、前年同月に比べ2・5倍の売り上げを記録した。
商品開発とマーケティングを担当した「ベル ジャポン」(東京都渋谷区)のブランドマネジャー、山崎真宏さん(35)は「売れる自信はありましたが、予想以上」と破顔一笑。「本当はビールやウイスキーにも合いますが、ワインと合うチーズということを前面に押し出してPRしたことがヒットにつながった」と分析する。
大きさはキュートで食べやすいひと口サイズ。値段は24個入りで430円。「日本では1500円前後のデイリーワインの需要が高くなっているのに、それに合う手ごろなチーズがなかった。そこで普段飲むワインと合う400円台の本格チーズを提案しました」と山崎さん。
本社のフロマジェリー・ベル社は創業約140年のチーズ会社で、「キリ」をはじめ20以上のブランドを展開、世界120カ国で流通している。
日本での「ベルキューブ」の発売は20年以上前の1983年。味は一流だが、評判の割には一般家庭に浸透しなかった。「六本木などの高級クラブで出されるおつまみのイメージ」だったためという。
リニューアルにあたり、一流ソムリエに参加してもらい、世界各国で販売されている29種類のフレーバーから、日本人好みでワインに合うトマト味、オニオン味など9種類を厳選した。
さらにパッケージも一新し、トマトやオリーブなどのイラストをあしらった食欲をそそるデザインにした。「おいそうに見えるのが大事ですね。夜食やお子さんのおやつ、ホームパーティーのおもてなしにも喜ばれています」
洋菓子の食べ歩きが趣味という山崎さん。「やはり素材として使っているチーズの味が気になります。ついどんなチーズを使っているのか聞いてしまいますね」
出典:MSN産経ニュース