2008年1月29日火曜日

銀行の微笑み作戦、効き目なし ダボスの夜、緊迫ムードはワインでは晴れず

銀行の微笑み作戦、効き目なし ダボスの夜、緊迫ムードはワインでは晴れず

1月23日夜、英バークレイズ銀行はダボスの山の中腹にある瀟洒なレストランで晩餐会を開き、メディア王のルパート・マードック氏やプライベートエクイティ(未上場株投資)投資会社、米ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン氏といった大物をもてなした。

晩餐会はバークレイズにとって、同行が信用市場の混乱を比較的無難に乗り切ったことを顧客に伝え、安心させるいい機会だった。だが、会期中に多くの金融機関が似たようなイベントを開催したにもかかわらず、笑顔と高級ワインだけでは、警戒ムードを払拭することはできなかった。

最近の市場の混乱を受け、ダボスに集まった金融界の面々は2つの難題に直面することになった。金融システムはさらなるショックを生むことなく、嵐を乗り切れるのか。そして、混乱の再発を防ぐために政策立案者は何をすべきなのか、という問題である。

「流動性の欠如より、信頼感の欠如が問題」短期的な見通しに関して言えば、世界経済フォーラムの支配的なムードは、市場とよく似ていた。つまり、かなり神経質なムードだ。

「現時点では、市場における流動性の欠如よりも、信頼感の欠如の問題の方が大きい」。大手投資ファンド、米フォートレス・インベストメントのウェス・エデンズ会長はこう語った。

出典:nikkei BPnet