2008年6月22日日曜日

有形文化財に県内12件を追加

 国の文化審議会(石沢良昭会長)は20日、岩の原葡萄(ぶどう)園第一号石蔵(上越市北方)など本県の12件を含む170件を建造物分野の登録有形文化財とするよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。本県の登録有形文化財は305件となった。

 県内で対象となったのはほかに、燕市燕の玉川堂の店舗と土蔵など4件、新潟市北区白新町の石動神社の本殿と拝殿、同所の古峯神社本殿、同区葛塚の稲荷神社本殿など3件、同所の開市神社拝殿。

 同葡萄園の石蔵は、創業者の川上善兵衛氏が1895年に建設した国内で最も古いワイン貯蔵庫。上越市三和区で産出した大光寺石が使われている。第二次世界大戦前までは、地下水の冷気で石蔵の中の温度を調節していた。今もワイン倉庫として使われている。

 萩原健一社長は「いいワインを作りたいという創業者の思いがこもったものを、永く受け継いでいきたい」と話した。

 玉川堂は江戸時代から続く鎚起(ついき)銅器の工房で、店舗は明治末期の建設。通りに面した部分に雁木が設けられ、伝統的な街路景観を整えている。7代目の玉川基行社長は「燕の金属産業史の面からも保存していきたい」と話す。

 本県以外では、世界的建築家の故丹下健三氏が設計した「墨会館」(愛知県一宮市)や、石炭産業で栄えた北九州の歴史を伝える「旧古河鉱業若松ビル」(北九州市)などが登録される。

出典:新潟日報