2008年2月6日水曜日

「筍わいん」売れ行き低迷 在庫抱え関係者困惑

「筍わいん」売れ行き低迷 在庫抱え関係者困惑

 やや甘口であっさりした口当たりの筍わいん 大多喜町が地場産のタケノコを利用し特産品として開発した「筍(たけのこ)わいん」の売れ行きが不振で、関係者は頭を抱えている。町側のPR不足に加え、「タケノコはワインの味には合わない」(酒造業界関係者)との声も聞かれる状況の中、販売拠点の道の駅「たけゆらの里おおたき」には、多くの在庫が発生してしまった。

 筍わいんは、町が1997年に「ふるさと産品育成事業」の一環として開発。当時、地元農協でキウイを使ったワインが商品化されるなど、ワインブームもあり、「大多喜は、県内有数のタケノコの産地。お酒づくりに活用しよう」と企画された。

 製造は山梨県のワイン酒造会社に発注。白ワインに、水煮をして輪切りにしたタケノコを1週間ほど浸した後、取り出して、白ワインを濾過(ろか)する。やや甘口の、あっさりした口当たりという。

 当初は物珍しさから観光客が土産に買い求め、町内の酒店にも全国から問い合わせが相次いだが、次第に売れなくなった。開発に携わった町の職員は「あまり評判はよくなかった。失敗作だったかもしれない」と話す。

 同道の駅では、2005年6月に入荷した1068本のうち、1月末現在で531本が在庫のまま。「古くなっても“年代もの”として高値がつけられるわけでもないし、在庫の分だけでも何とか売り切りたい」(猿田義久総務部長)としている。

 筍わいんはアルコール度数13%で、1本720ミリ・リットル、1365円。問い合わせは同道の駅へ。

出典:読売新聞