Cheers!(チアーズ!、乾杯!)
今の時期の英米のマーケットの雰囲気で特に思い出されるのは、ロンドンでのマーケット関係者とのクリスマスディナーです。
イギリス人は無茶苦茶な飲んべーですので、テーブルにつく前に、まずはレストランのバーコーナーでジンやウォッカをライムやトニックなどいろいろなもので割って飲んでおしゃべりが始まります。
彼らは、日頃からの飲み過ぎで皆太鼓腹。それを突き出してグラスを握り立って話すのが、パブでも普通の光景です。
1~2杯飲んでしゃべって、ようやくテーブルへ。それからが、また、ワイン選び、これがまた詳しい。本当に、この人たちは、酒を飲むのが好きなんだなと思いました。
そして、ワインが何本もあき、食べ物はたいらげられ、デザートへ。そして、ここで、とどめのブランデーやグラッパやシュナップスといった強い酒を飲んでおしまいとなります。
この間のおしゃべりは、クリスマスショッピングで何を買ったとかクリスマス休暇はどこへ行くとか、日本の忘年会を超えるウキウキムードに包まれています。
もちろん、昼間のディーリングルームで飲むわけではありませんが、要は、この時期、気持ちもそぞろの状態になっています。
しかも、もっと現実的には、12月の成績はボーナス査定に反映されないところが多く、自己ポジションは持たず、ディーリングは事務的になり、お客さんの玉を右から左へ流すだけとなります。
右から左に流すというのは、お客さんに買われたら自動的にマーケットで買い、お客さんから売られたら自動的にマーケットで売るといった調子になるため、それがフラフラと上げ下げする腰の据わっていない相場を形成することになるわけです。
こうしたウキウキ、気持ちもそぞろの雰囲気が、この時期の英米のマーケットの基本的な状況ですので、一歩引いて見るぐらいでちょうど良いと思います。
出典:Klug クルーク