2008年1月27日日曜日

「チョコに合う酒」お墨付き

「チョコに合う酒」お墨付き

 高級チョコレートと日本酒の取り合わせはいかが――。新潟産の清酒が、世界的に有名なフランスのショコラティエ(チョコレート職人)のお墨付きを得て、東京都内のデパートで開かれているイベントに「チョコと合うお酒」として出品され、グルメ達の関心を集めている。「越の華酒造」(新潟市中央区沼垂西)が手がける純米原酒「川蝉(かわせみ)の旅」で、小野寺聡社長(54)は「日本酒の新たな楽しみ方と可能性を提案することができた」と、新たな販路開拓を喜んでいる。

 「川蝉の旅」は同社が3年前に開発、水の代わりに酒を使って仕込むという特殊な製法で作った高エキス純米原酒だ。貿易会社を通じて、他の同社製品とともにフランスに輸出されていたのが、チョコレートに合う日本酒を探していた著名ショコラティエのジャン・ポール・エヴァン氏(51)の目に留まった。

 梅酒のような香りがして味は濃厚、酸味もあり、のどを通るときには切れがある「川蝉の旅」は、淡麗辛口が最近の主流となった現在の日本酒の中では異色だ。しかし、エヴァン氏は最終候補に残った日本酒の中から「確かにチョコに合う」「本当に日本酒なのか。ワインのようだ」などと、同銘柄を選んだという。

 イベントは伊勢丹新宿店で28日まで開催される「サロン・デュ・ショコラ・東京」。バレンタインデーを前にチョコレートの逸品を集めた催しで、「チョコレートに合う酒」としてエヴァン氏のチョコレートとともに紹介されている。

 初日の23日は、エヴァン氏自らが“実演販売”。「まず日本酒を口に含み、口の中で混ざらないよう、飲みきってからチョコを食べてください」と語るエヴァン氏の周りに大勢の客が集まり、用意した1合ビン120本は完売。昨年10月にパリで行われた「サロン・デュ・ショコラ・パリ」でも好評だったという。

 自身が2月14日生まれという小野寺社長は「バレンタインデーの前に、良い話題が提供できた」と話している。

 販売価格は1合ビン(180ミリ・リットル)が800円、4合ビン(720ミリ・リットル)が2400円。同社の店頭、ホームページのほか、新潟市内の一部酒店でも販売している。新潟伊勢丹で30日~2月4日に行われる「2008ショコラモード」でも紹介される予定だ。

出典:読売新聞