2008年1月19日土曜日

サントリー、M&A専門部署…4月新設

サントリー、M&A専門部署…4月新設

1000億円規模対応

 サントリーは18日、企業の合併・買収(M&A)を担当する専門部署を4月に新設することを明らかにした。社長直轄の組織とする方針で、金融機関からの借り入れなどで4000億~5000億円の資金を用意し、買収額が1000億円規模の大型M&Aを急ぐ考えだ。

 同社は従来、酒類や食品などの社内カンパニーごとに買収企業などの選定や交渉を担当していた。しかし有望な企業の買収は巨額な費用が必要で、他社との競合も予想されることから、専門知識を持つ担当者の専従組織とし、交渉や情報収集などの体制を強化する。買収候補は国内外から広く探すが、日本企業は企業風土の違いなどもあり、まず海外の酒類、飲料などの大手企業を優先すると見られる。

 同社は中期経営計画で2010年12月期の連結売上高2兆円、経常利益2000億円を目標に掲げているが、06年12月期連結決算では売上高が1兆4139億円、経常利益が756億円にとどまっている。「各社内カンパニーの成長だけでは目標達成は厳しい」(佐治信忠会長兼社長)状況で、売上高1000億円規模の複数の企業買収を手がけたい考えだ。

 ビール業界では近年、キリンビールがワイン大手のメルシャン、医薬品大手の協和発酵、豪乳製品大手のナショナルフーズを相次いで買収したほか、アサヒビールも食品大手のカゴメと資本・業務提携を締結するなど、企業の成長や活路をM&Aに求める動きが活発化している。

出典:読売新聞